第9章 吸血鬼
伊東「んもうっ、冗談じゃありませんよ全く。」
今日は松本良順という方が隊士の健康診断の為に足を運んで来たらしい。
伊東は無理矢理服を脱がされたと苛立ちをあらわにしていたが、健康診断なのだから仕方ないと思うがな。
伊東「あら、何処へ?」
千月「診察に行ってまいります。」
伊東「女性の貴女が男性の前で肌を晒すなんて、随分と大胆だこと。あら失礼。貴方も男性でしたわね。」
勝ち誇ったかのように見下し、嘲笑を見せつける伊東にかなり腹が立った。
勿論診察に行くというのはこの場を離れるための口実に過ぎない。
確か松本良順は将軍の主治医でもあったと聞いている。
もしかしたら変若水についても何か知っているかもしれない。
私とて変若水の全てを知っているわけではない。
例え微量だとしても情報が欲しい。
その一心で松本先生の元へと向かった。