第9章 吸血鬼
原田「奴ら鬼の事と変若水の事はわかった。で、お前自身の説明も当然するんだろ。」
原田さんがいつもの調子で私に問う。
優しいが一種の脅迫の様でもあり、私に逃げ道を作らないような、そんな言葉だった。
千月「今話した東洋鬼と西洋鬼。私はその両方の血を持っています。私の親は純血の東洋鬼と純血の西洋鬼。」
この事実はさすがに驚いたらしく、全員が唖然とした様子だった。
平助「って事はお前、血が欲しいって思ったりするのか?日中も本当は動ける体じゃないんじゃ…」
千月「日を浴びる事はさほど苦ではない。東洋鬼は平気だからな。きっと打ち消しあったんだと思う。だが、吸血衝動は軽く起こる様になっている気がする。まあ、すぐに収まるし、自分でも殆ど気にかけていない。
たまにな、血を見ると体が疼くんだ。狂う事はまだないが、徐々に症状が悪化しているように感じる。
まあ、そんな事さして問題ではない。
私が一番伝えねばならないのは発作の原因についてだ。」