第8章 鏡
今もなお戦いは続く。
颯太「未来に行けば行く程強さの基準は上がっていく。過去の人間ごときが未来の鬼に勝てる訳ねぇだろ!」
颯太は圧倒的な力を持っているのにもかかわらずその剣技。大雑把で感情に任せて振るうその姿は勝っているのに余裕がないように捉えられた。
平助「にしては随分隙だらけだな。余裕かましてると痛い目見るぞ!」
平助にもそれは感じ取れるようで。しかし押されているのは事実。颯太の感情の焦りから今はなんとか持ち堪えているようだ。
沖田「平助の言う通りだね。まるでいつ介入しても受け止められるからかかって来いって挑発してるみたいだ。」
面白そうに口元を緩めながら平助の援護をする沖田。
刀を振るう3人の姿を横目に、事の発端とも言える私自身はこの場において何もしていない、出来ない。
それがとても苦しくて、悲しくて。なのにどこか安堵している自分もいて。
自分の感情がわからない。
どうして戦いを目の前に落ち着いているのだろう。
どうして私はこんなにも弱いのだろう。
どうして…
どうして…
そして私の瞳からは一粒の涙が。
冷たい涙が頬を伝って地面へポツリと落ちた。