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道化師恐怖症。

第20章 剥がれ落ちた花びらが舞う




数分もたたないうちに
丸井くんは柳くん達を連れてきた

…と、いうか
レギュラー陣全員か
西崎さん以外

彼女は部室で
何かしてるのかな


「精市。これは?」

「彼女が部室を出ていく所
柳達も見ていただろ?
どうやらその時くらいに出来た
頬の怪我がどこかにぶつけただけじゃ
ないらしくてさ」


両手でやれやれという
ポーズをとる幸村くんから
目をそらし、赤也くんを見る

相変わらず
泣きそうな顔をしちゃってる

私は平気だって
言ってるのに


「如月、見せてみろ」

「嫌…っていうのは駄目?」

「ほう。
拒否する理由を聞こうか」

「今、西崎さんに
仕事を押し付けてしまってる。
だから、早く行きたいの」

「安心しろ。エリナは優秀だ。
もともと1人だったしな」


違うじゃん

もともと1人だったのは金城さんで
彼女が入って2人になったのに

そのことすら
頭の中に残っていないの?

頭の良い人の思考回路って
ほんと謎だわ


「いいからその手を離せ」

「っ、いや…!」

「柳先輩!!
無理強いする事ないじゃないッスか!!」

「俺は今如月と話してる。
赤也は黙ってろ」


私的には初めて見る
柳くんの開眼

赤也くんもたじろいでしまったようだ

まぁあんなの怖いもんね
私でもビビる


「お前のその傷は
転けたものではないだろ。
…エリナにやられたのか」

「っ…!
転けた、ってば」

「たかが転けたくらいで
泣きそうな顔しながら走って
部室出るんか?余程の弱虫じゃのう」

「痛かったんだから
仕方ないじゃん…」

「それなら普通、保健室に
行くものではないですか?」

「…こないだも保健室行って
部活を休んじゃったから
応急処置で済ませたかった!」


この人たちは
西崎さんの味方なのに
その筈なのに

なんで彼女を庇う台詞を
一つも言わないんだ


なぜ私から
彼女にやられた、の一言を
ほしがるんだよ

調子くるうし
イライラする つまらない


もっと西崎さんに心酔してよ

彼女に全て捧げて
彼女を崇拝すればいい


そして彼女に裏切られた事実で
身体を切り裂かれればいいの

そうすれば
自分達の愚かさに気づくから







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