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道化師恐怖症。

第20章 剥がれ落ちた花びらが舞う




桑原くんも真田くんも
全然かっこいいのに

西崎さんは理想が
高いのかな?

いや、にしてもだろ


まぁそれは置いといて

あの場面で
頬を冷やすなんて言いながら
出てくのは変だったかな

でも仕方なかった

私もあの場から
一刻も早く立ち去りたかったから



なんだかあそこまで
清々しく本性を見せられては
ため息しか出ない

ほんと西崎さんって馬鹿


それに合わせて
こっちも悲しむふりしないと
ダメなんだから勘弁してよ

楽しいけどさ


こんなの楽しくなかったら
やってられないよね

でも、ほんと
楽しすぎて

麻薬みたいな中毒性がある


何ともいえない快楽が
私の脳みそを刺激して

それでどんどん麻痺してく


ほら、もう


「全然痛くない…」


まだうっすらと
血は出ているのに

普通だったら

痛い筈なのに



どうやら私も
馬鹿になってきてるみたい

はは、相変わらず
厨二病だなー私


心も何も痛まない事なんて
ある訳が無いのに

痛みを感じない


なんだか人間じゃ
ないみたいだ


…人間じゃないなら
なんなんだろう?

お化け?妖怪?


その類かな?
とことん厨二だ


西崎さんより痛いかも
てか、痛い


「つら…」

「如月」

「え?」


きっと私が水道についた頃に
あのかわいいくせ毛の子が
私の名前を呼びながら
走ってきてくれるんじゃないかって


なんでそんな期待してたんだろ

なんでそう思い込んでたんだろ


私は


「よぉ。
部活中に何こんな所来てんだよぃ」

「丸井…くん」


待ってないよ

赤毛で風船ガムの君なんて



やっぱりあの時の出来事は
時間が経ったあとダメージがきて

ずっと丸井くんには近寄りがたかった


思わず体が強ばる

ダメだ、私はアレを忘れてる
設定なんだから


「サボり?
エリナに仕事
押し付けたりしてんの?」

「そんなことしてなっ…」

「…?
なんでお前、頬腫れてんの」


しまった、見られた

いや、隠すことも出来ないから
仕方ないんだけど


この人に見られたところで
ことがいい風に運ばれるなんて
ありはしない

どうせ何があろうが
西崎さんの味方なんだ

…スリルあっていいじゃん









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