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道化師恐怖症。

第20章 剥がれ落ちた花びらが舞う




私が座り込んで
唇を噛みながら泣いてると
西崎さんはイライラしたようで
なんと蹴りかかってきた

つま先が鳩尾に入りそうになって
思わず咳き込む


「っゲホッ」

「如月!アンタも
目障りなのよねぇ。
赤也に媚び売っちゃってさぁ!
ブスのくせに!!」

「売っ、てな…」

「いーい?
エリナはお姫様なんだから
みーんなを手に入れなきゃダメなの。
だから勿論赤也も
エリナの王子様に
なってもらわなきゃ!」

「さ、なだくんと桑原くん…は?」


そういえばこの2人は
さっきから名前が出ていない

この2人だって
彼女を疑ったのではないか

レギュラーだから
王子様なのでは


「老け顔とスキンヘッドは
興味無いのぉ。
お姫様の周りには!イケメンだけが!
集まってればいいのよ!」


なんという自己中発言というか

自画自賛が激しいというか

たしかに貴女は可愛いけれど
お姫様と言うほど?

それにその周りには
イケメンが集まればいいなんて…
てかあの2人も充分イケメンだし

素晴らしいエゴだ


「なんで、そんなに
ひどいことばっかり…」

「うるさいわね!!
ブスのくせに!」

「っ、!、」


容赦なく足蹴にされる私

傍から見たら私の方が哀れか

ほんと痣出来そう


「これからはエリナの為に
引き立て役と雑用
ちゃぁんとやってよね?」

「なんでそんな…!!」

「アンタも金坂みたいに
なりたい訳ぇ?」


そう言われてしまえば
大抵の人は肩をビクつかせるに違いない

だから私も人一倍怖がる

だって彼女がどういう目にあったか
他の人より身に染みてるから


「ほらさっさと
仕事の1つでもしなさいよ!!」


パンッッ


「っ!!」


乾いた音がして
私の頬に痛みが走る

きっと叩かれたのだ


頬に触れれば
叩かれただけでは感じない
ピリッとした痛みがした

…血、出てる
あんな長い爪してるんだもん

引っかかれても仕方ない


「…頬、冷やしてくる」

「ちょ、は!?」


私は右手で頬を抑えながら
部室を飛び出した


とりあえず部員の目に付くように

悲しそうに
走りながら水道に
向かえばいいか

もしかしたら赤也くんが
来てくれるかもしれないから



あーあ

ほっぺが痛いなぁ








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