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道化師恐怖症。

第16章 パーティーは0時過ぎてから




その日は久しぶりに
悪夢というやつを見た

説明は難しいけれど
気味が悪くてゾワゾワする
耐え難い夢

例えるなら…
動けないのに足の指先から
見た事もないような虫が
何匹も這い上がってくる、

そんな感じ


気持ち悪いよね
私もそう思った

だから目覚めはすこぶる悪くて
身体は鉛のように重い

でも、今日休んだら
丸井くんや西崎さんの反応が
見れなくなってしまう

それどころか
彼等に余裕をもたらしてしまう


私の心は折れた

ボロボロになるのも
時間の問題だ、ってね


そこから形成逆転するのも
面白いけどー
私としてはもうそろそろ
痛い目見て欲しいんだよな


と、言うわけで
今日はあの人達に一泡吹かせる為
学校へ向かっています

多少の頭痛は無視

どうせ楽しい事が起これば
こんなの気にならないんだからさ




「お?如月じゃん」


はい、来ました待ってました

下駄箱で私に話しかけて来たのは
ニヤニヤと笑う丸井くん

普通なら、普通の子なら
ここで肩をビクつかせるか
怖がるんだろうけど

私は忘れてる設定だから
そんなの表情に出さない

むしろ丸井くんの方を見て
にっこりと笑顔をつくった


「あ、おはよ!丸井くん」

「は?お、おう」

「今日も暑いねー。
あ、飴食べる?」

「お、おぉー。もらうわ」


私は少しの恐怖感も見せず
鞄の中から飴を取り出し渡す

丸井くんの方が
挙動不審だ

笑っちゃいそう


「じゃあまた教室でねー」

「…おー」


丸井くん、おぉーしか言ってない
動揺し過ぎだろ

あ、ちなみに今日の朝練は無い
委員会があるから

だから丸井くんは下駄箱に居たと
いうことなんですハイ



それにしても丸井くんで
あの反応かぁ…
きっと彼は西崎さんに
言うだろう

私は全く堪えてない、と

そしたら次はどう来るかな


同じ手は通じないって
分からせないとダメだよね

さて、教室へ言ったら
西崎さんとお話しだ


もっといつも通りに
〝明るい私〟で居ないと

笑顔、笑顔


貴女が楽しみにしてる私は
怯えてる私なんだろうけど…


そんなの居ないんだよ?

残念でした





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