第16章 パーティーは0時過ぎてから
目を開けた時に
視界に飛び込んできたのは
真っ白な天井だった
感じたのは
不愉快な頭痛と
私には珍しい倦怠感
簡単に言えば
目覚めが悪すぎるってとこかな
「ここ…保健室?」
こんなふわふわしたベッドなんて
保健室くらいにしか無い
真っ白な壁も淡い色のカーテンも
消毒液の匂いも
保健室特有のものだ
なんで私保健室にいるんだろ…
確か部室で
丸井くんに襲われそうに
なってた気がするのに
考えるのすら面倒で
もう一眠りしちゃおうかな
なんて思ってたら
カーテンがシャッと音をたてた
「如月さん起きた?
身体の具合はどう?」
「んー…ちょっと
怠い感じはあります」
「貧血で倒れるなんて
無理のし過ぎじゃない?
切原くんが来るまで
ゆっくり休みなさいね」
「…切原くん?」
なんで切原くんが来るんだ
ってか私、貧血なんかで
倒れてないんだけど
あぁそういえば
ギリギリの所で切原くんが
入ってきて、それで安心しちゃって
気絶したのか私
なんとまぁ
情けない話だこと
「部活が終わったら
切原くんが迎えに来るから
待ってて欲しいって言伝」
「そーなんですか。
ありがとうございます」
先生がカーテンを閉めたと同時に
私はゴロンと身体を左へ向けた
…と、いうことは
切原くんがここまで運んで
きてくれたのかな
重かっただろうに申し訳無い
部活が終わるまで待ってろ、と
言うことは、私は
もう部活行かなくていいんだ
ラッキー
今行っても気まずいし
何されるか分かったもんじゃ無い
とりあえず時間は
おいた方がいい
それにしても貧血で…ね
切原くんがそうしてくれるなら
私もそれに乗ろうじゃないか
あの事は封印してしまおう
そうすればきっと
彼等も動揺するに違いない
確かにあの時は
本気でやばいと思って
泣きそうになんかなったけど
過去になってしまえば
何も怖くないし関係ない
あんな事で
部活辞めるなんて思われたら
困っちゃうよ
楽しいのはここからなんだから
あー君達の驚く顔が
早く見たいもんだ
笑わないように
気をつけないと、ね