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道化師恐怖症。

第15章 正直者が涙を零す世の中ですね




とにかく、あんまり見ないように
服を必死に直す

今起きられたり、誰か来たら
俺がなんかしたみたいだよなぁ…!

焦ってまた汗が出そうだ



なんとか衣服は直せた

それでもまだ目を覚まさない

よっと横抱き…いわゆる
お姫様抱っこってやつをして
部室を出る

…この人軽すぎ
ちゃんと飯食ってんのかな
なんて思ったりして

できるだけ蒼先輩に
負担がないように
俺は保健室へ急いだ



それをアイツが見てたなんて
全く知らないで







「すんませーん!
失礼しまーす!」

「あらあらどうしたの?」


走ったせいと
蒼先輩から香るいい匂いに
緊張しちゃったせいで
俺はまた息をきらしながら
保健室に飛び込んだ


「えっ、と…
貧血!そう、貧血で先輩が
倒れちゃったんで休ませてあげて
欲しくって!」

「マネージャーって忙しいものね。
いいわよ。そこのベッドで
寝かせてあげなさい」

「あざっす!」


奥のベッドへ
蒼先輩を運ぶ

まだ目を瞑っている先輩は
いつもより綺麗に見えた

まるで…眠り姫、とか
そんな感じ

って!俺は!
なに考えてんだって!


「この子はここで見ておくから
切原くんは部活行っていいわよ」

「あ…うっす」


実は近くにいたかった
なんて思うけど
これ以上部長達に怒られんのは
本当に勘弁

部活が終わってから
また様子を見に来るか


「すんません、起きたら
ここで待っててほしいって
言ってもらってもいいッスか」

「はいはい」


あざっす、と礼をして
俺は部活に向かった


どうか、早く
目を覚ましますように






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