第14章 砂糖菓子で出来た刃
「はい、これ!」
「…」
持たされたのは
さっき皆が飲んだ後の空のボトル
全部飲んでくれたのか
さっきよりはだいぶ軽くなってる
「これ洗ってよ。
後、ロッカーから私のタオルと櫛
持ってきてねー?
それからぁ…自販機で
ジュース買ってきてぇ」
「は?」
一番最初の頼みは納得できるが
後の2つは納得できん
私はお前のパシリじゃねーぞ
大体ジュース買ってこいとか
本気で何様ですか
あ、エリナ様でしたね
「だーかーらー。
もー1回で覚えてよ!」
「ボトル洗ってこればいいんだね?
了解でーす」
「はぁ?
あと、私の…」
「じゃあ洗ってくるよー」
その先の言葉は聞いてない事にする
わざわざロッカー行くの面倒だし
自販機なんて更に遠い
誰がそんなの了承するんだよ
私はしてやんねーぞ
「飲み物ぐらい
買ってきてやればいいだろぃ?」
「ブン太…!」
チッと心の中で舌打ちした
この赤髪に捕まると思わなかったし
面倒になるのが目に見える
私が入ってきた瞬間
敵視し始めたからな…くそ
さて、どうしよう
買いに行くのは絶対イヤだ
「西崎さん、喉乾いたの?
じゃあ丸井くんのボトルに
飲み物入れてきてあげるよ」
「てめぇ人のやつ勝手に…」
「飲むのは西崎さんだよ?
ほら、彼女困ってるんだし
協力して欲しいな」
グッと悔しそうな顔をする
丸井くんを見て心の中でガッツポーズ
西崎さんも嫌とは言えないし
遠慮する必要もない
今すぐ部員は
飲み物を必要としてないから
それにあの部室探せば
1つくらい余ってるボトルある筈
もっと考えてから言いなよ
馬鹿だなぁ
「じゃあ急ぎマース」
「お、おい!」
テニス部って馬鹿ばっかりなの?
なんで皆、頭使わないんだろ
これからどんどん子どもっぽい事
行われるんだろうな
西崎さんを叩きのめすのは
とってもとっても面白いけど
あんな子供と戯れるのは
時間のムダ
私だって忙しいんだから