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道化師恐怖症。

第13章 お菓子の城はビターテイスト




「切原くん」

「っ…は、はい」


思ったとおり
切原くんは泣きそうな顔をしてる

私に怒られる事が
わかっているのだろう
怒りはしないけどね


「あの言い方はないよ。
岸本くんが2軍だろうが
先輩だろうが
頑張ってる人に対してあれはダメ」

「す…すみません」

「なんであんな言い方したの?」


切原くんは訳も無く
あんな事言う人じゃないことくらい
私にだって分かってる

なぜ岸本くんに
敵意を向けたのかが謎

もともと仲悪いとか?
あの人だってゲッとか言ってたし


「なんか…腹たって」

「そっか。
理由はどうあれ謝っとくんだよ」

「っはい」

「うん、素直」


さっき私が岸本くんにされたように
切原くんの頭を撫でた

ちょっと背が足りなくて
必死に背伸びしたが


すると彼は
ふるふると震えながら
俯き出してしまった

もしかして嫌だったかな
不安になって
彼の顔を覗き込む

そしたら彼の顔は

タコのように真っ赤だった

あら可愛らしい


「っ~!!」

「…切原くん?」

「っ、あ、えっと
このジャグ運ぶんすよね!?」

「あ、うん」

「俺手伝います!持ってきます!」

「ほんと?助かるなぁ。
ありがとう」


じゃあ急いで作らないと
さっきので手が止まってしまった

ジャグを綺麗に洗って泡も落とし
中に大きめな氷と水、それと
お茶のパックを入れる

ドリンクは粉と水で素を作って
そこからまた水を足す

ハイ完成


「じゃあ1つよろしく…」

「2つ持ってきます!!」

「あ、ありがとう」


いっぱい水を入れたから
重さはかなりある

流石に2つはキツかったな…
切原くんがいてくれて助かった


あれ?でも

なんで切原くんは
ここに来たんだろう?

西崎さんがいるから
別に仕事は滞ってないと思うけど…


ヒョイっとジャグを持つ
切原くんを横目で見る

…まぁいっか

とにかくこれを持って行って
あげないと2、3軍が可哀想だ






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