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道化師恐怖症。

第13章 お菓子の城はビターテイスト




部室を覗くと
大きめな赤色のジャグが
3つほど並んでいた

3つあれば足りるかな…
飲み物は…1つスポーツドリンクで
2つはお茶でいいや

コップは何処にあるんだろ
ゴソゴソと棚を漁ると
束になった紙コップが出てきた

これ使っちゃお


「じゃあ今から作るから
ちょっと待っててー」

「如月ってどっかで
マネージャーやってたの?」

「いや初めてだよ」


ジャグを洗いながら
岸本くんとお喋り

彼は去年のクラスでも
明るい人で人気だった気がする

私はそんなに
関わった事なかったな

テニス部ってことも
知らなかったし


「如月が来てくれて助かったぜ!
西崎も今まで来た奴も
みーんな1軍しか見ねーんだから」

「そうなの?
それは酷いなぁ」

「だろ!?俺たち2、3軍なんて
まるっきりガン無視だからな!」

「1軍には西崎さんいるし
私は2、3軍に積極的にお世話するよう
頑張るよ」

「まじで!?
如月はいい子だなー!」


岸本くんは嬉しそうに笑いながら
優しく私の頭を撫でた

あーこの人は
こういう人だっけー…


苦笑いを浮かべると
ガチャリと部室の扉が開いた

入ってきたのは


「…先輩?」

「あ、切原くん」

「ゲッ」


岸本くん、切原くんを見て
ゲッて言った ゲッて

それが聞こえたのか
切原くんは不機嫌そうに
眉をしかめている


「何してるんスか?」

「ちょっと飲みm「お前には
関係ねーだろ」えー…」


なんで喧嘩腰になっちゃった

ほら余計にイラついてるよ
ちょっと怖いんだけど


「…こんなとこで油売ってっから
先輩は2軍なんスよー」

「んだと?」

「悔しかったら
俺に勝ってみろよ。
どーせ無理だろうけど」

「…てめぇレギュラーだからって
2年の癖に調子こいてんじゃねぇよ!」

「その2年に勝ててねーくせに
何言ってんスかぁ?」

「あぁ゛!?」


急に始まった言い合いってか
口喧嘩?こんなとこで煩くしないでよ

私はストーップと声を上げながら
2人の間に割って入った


「こんなとこで喧嘩しないで。
…岸本くんは先戻ってて。
すぐ持っていくから」

「けど、」

「大丈夫。運べる」


だから早く行けと
目で訴えれば素直に聞いてくれた

さて、あとは…





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