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道化師恐怖症。

第13章 お菓子の城はビターテイスト




2、3軍のコートは
1軍のコートより若干小さめ

だけど今の1軍よりは
全然頑張っている様に見える


誰に声かければいいのかな…
あ、あの人は去年同じクラスだった
岸本くんじゃないか
丁度いい所に


「岸本くん」

「ん?あぁ如月か。
久しぶりだな。マネージャーなんて
驚いたよ」

「私も驚いたよー。
ところでさ、2、3軍の人って
飲み物どうしてんの?」


いつも笑顔が眩しい彼に
飲み物の事を問うと
急に不機嫌そうな顔になった

え、なぜに


「…西崎マネージャーから
聞いてないの?」

「う、うん」

「俺たちは各自で持ってきてるよ」

「は?」


ほら、と岸本くんは
近くに置いてあるペットボトルを
指さした

確かにずらりと
水筒だのペットボトルだの並んでる


1軍は専用のボトルまであるのに
2、3軍は各自で、かよ…

どんだけ格差あるの
可哀想だわ

それに練習時間だって長いんだから
飲み物なんていくつ合っても
足りはしないだろう


「俺たちの分まで用意すると
大変だからもってこいだとよ」

「えぇ…。
それじゃ足りないでしょ?」

「欲しくなったら
冷水機までダッシュしてるぜ」


不憫すぎるぞ2、3軍

これはやっぱり
ジャグ用意した方がいいな…


「飲み物ってなんでもいい?」

「あぁ別になんでも」

「わかった。
ジャグ持ってくるからさ
そこから飲みなよ。
毎回毎回冷水機まで走るの
大変でしょ?」


そう言うと岸本くんは
キラキラと目を輝かせた

と、いうか
聞いていた周りの人も
そんな目をしている


「如月用意してくれんの!?」

「いや、あまりにも可哀想だし」

「おっま…!!
いい奴だなぁ!!!」


飲み物が無いというのは
よほど辛いことらしい

ここまで苦しいことなら
なおさら早く持ってこないと


私は急いで持ってくるから、と言って
走りかけた時
岸本くんに腕を掴まれた

バランス崩して
こけそうになったわアホ!


「重いだろ?
手伝いに行くわ!」


わぉ岸本くん紳士

ここはご好意に甘えよう



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