第12章 銃声で僕らは駆け出した
あれから…2日ほど経ったのだけど
切原くんはどう行動に移せばいいか
分からないようで
特に何と無い日々が過ぎていた
西崎さんは何かを
仕掛けてくる事も無く
ただただ彼女に居心地の良い
空間が確立されていってるだけ
私?私は相変わらず
くそ担任にこき使われながら
西崎さんの引き立て役に
されておりますよ 最悪ですね
みぃちゃんが助けてくれるけど
この間の対話があってから
2人の間には目に見えて
火花が散っている
気付かれてないつもりか
知らないけど…
険悪の雰囲気はだだ漏れ
息苦しい
それにつまんない
今日も先生からお呼び出し
わざわざ昼休みに放送で
あーめんどくせ
お昼は私の癒しタイムなのに
まぁ行きますけどね
真面目なんで
「失礼しまーす」
「あぁ如月か」
いや、アンタが呼んだんだろ
まだお若いのに認知症ですか
やーねー病院行け
「どうされましたか」
「お前に頼みがあってな」
「はぁ」
「如月、お前今
部活は無所属だな?」
「そうですけど」
「だったら決まりだな。
テニス部に入部しろ」
「は?」
「これは決定事項だ。
文武両道を目指してる立海の生徒が
部活に無所属でいるのは
校則に反している。
それに、皆が何かに打ち込んでいる時
お前だけダラけていては卑怯だ」
よく分からない事を一気に言われたが
私の頭の中にはしっかり入ってない
テニス部?入部?
意味が分からない
と、いうか
いきなり何を言い出してるんだ
この男は
確かに立海は
運動教育に熱心な学校
文武両道という言葉を出してきても
なんらおかしくはない
だけど、部活に無所属の生徒は
私だけでは無いし何人もいる
しかもなぜ唐突に
最後に私はダラけていて卑怯と
なんでそこまで言われなきゃあ
いけないのか
別に勉学は怠ってないし
校則違反は犯してない
色々不満がある、が
察するに西崎さんの根回しかな
決定事項なのに
拒否しても意味ないだろう
…でもこれで
なんの不自然さも無く
テニス部に近づける訳だ
バカだなぁ西崎さん
自分の首締めちゃってさぁ
お望みどおり
入部してやろうでないの