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道化師恐怖症。

第9章 弱虫で強がり怯者


「じゃあね、みぃちゃん!」

「本当に大丈夫…?」

「へーき!」


プリントと言っても
そこまで量がある訳じゃない

生徒会室にルンルンとした気分で
足を運ぶ

担任に嫌われてるなら
これからもっと雑用頼まれるかな

うわぁ!ラッキー!
柳くんと柳生くんに近づける
大大大、大チャンスでないの!

素敵素敵


ウキウキしながら行くと
やっぱり早く着くものだ

生徒会室

軽くノックしてから
失礼します、と丁寧に言い中に入る


「おぉ、如月。悪いな」

「大丈夫です」


中には柳くんと生徒会の皆さんが
チラホラといた

…というか先生、悪いなんて
絶対思って無いでしょ

目すら合わせないし
舐めてんですか


「じゃあこれお願いします」

「あ、あとこの資料を
職員室に運んどいてくれ。
どうせ帰るだけだろう」

「…はーい」


指差された資料は
色々な冊子が混じっていて
かなり重そう

これは完全に先生から
敵意を持たれているようです

こんなの職務権乱用とか
いうやつじゃあないのか

素直を演じる為には仕方ないので
その資料を持ち上げる


「っ…」


脇腹辺りがズキッとする
やはりこんなに重みがあるものは
キツイみたい

でも、まぁ、大丈夫…

落としたら嫌味の一つも
言われそうなのでゆっくりと進む


すると急に資料が
半分くらいの重さになった

高さも半分くらいになって
かなり楽になっている


「え?」

「大変そうだからな。手伝おう」


その半分を持ってくれたのは
どうやら柳くんのようだ

涼しい顔して
片手で軽々と持っている


「や、いいよ。
頼まれたのは私だし…!」

「そ、そうだぞ!
如月にやらせれば」

「お前は理不尽な暴力に
合ったばかりだ。無理しない方がいい。
それに非はこちらにもある」

「非なんてないよ!
悪いし、柳くん忙しいでしょ」

「気にするな。
大した時間はかからない」


そう言い薄っすら笑みを落としてから
さっさと行ってしまう柳くんの
背中を追いかける

先生はあまりいい顔をしてなかった

ざまあみろと笑ってやりたいが
…ちょっと出来ないな







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