第9章 弱虫で強がり怯者
「本当に悪かったな如月…」
「あぁ…。まさか矛先がお前に
向かうとは思わんかったけぇ」
「別に2人が悪いわけじゃないし
私は大丈夫だよ」
ね?気にしないでよ、と笑えば
如月、優しいなと
丸井くんに頭をポンポンと撫でられた
仁王くんも良くできた子じゃ、と
おじいさんみたいな事を言う
やはり罪悪感を抱えていたのか
今2人のこの気持ちを軽くして
しまうのはかなり勿体無いが
どうせ後で死ぬほど感じるんだ
今だけは、いいか
「蒼…私のせいで、
ごめんね…」
「西崎さんのせいじゃないでしょ。
仕方ない事だったんだよ」
今更そんなわざとらしく
私にすがるように来て…馬鹿か
丸井くんと仁王くんの
気を引きたくて必死 笑える
「お前らー掃除しろよー。
あぁ、如月。お前大丈夫か」
「はい。大丈夫でーす」
先生の言葉も見事にそれだけ
表情とか心配する素振りが
全くと言っていい程無い
教師の心配なんていらないけどさ
「それと如月。
身体が大丈夫なら頼みがあるんだが」
「なんですか?」
「後でプリントを回収して
生徒会室に持ってきてくれ」
「…はーい」
なんでここで私を選ぶんだと
普通の人なら文句言うだろう
病み上がり?ちょっと違うか
でもとりあえず怪我人に
物運ぶなんて頼んだりしない
私はこいつに嫌われてるのか
いつから?、まぁいいけど
何と言っても生徒会室に
入るチャンスですから
蒼ちゃん頑張る
「蒼、変わるわ」
「大丈夫だよ。そのくらいできる」
「でも病院行った方が…!」
「どうせ今日急になんて行けないし。
このくらい平気だよ!」
みぃちゃんは心配性だなーと言うと
当たり前でしょ!と怒られた
よく怒られる日だ、今日は
「でも何のプリントだろう?」
「…多分さっきやった
アンケートじゃない?」
「私やってないけど…いいのかな」
「委員会に入ってる人だけのよ」
「じゃあいっか」
掃除が終わって帰れるまで
後、20分くらい
楽しみだなぁ
早く行きたいなぁ
あ、そういえばね
さっき丸井くんになでなでされた時
西崎さんから人殺せるんじゃね?
ってくらい痛い視線頂きました
あー怖い