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道化師恐怖症。

第9章 弱虫で強がり怯者


「…私はそろそろ横になるね。
おやすみなさい」

「え?あ、あぁ。
おやすみ…」


幸村くんと話すことなんて特に無い

話したところでメリットが無い

だから会話は交わさない
疲れたからもう寝る

布団にもう一度潜り込んで
頭の中でこれからの事を整理


今の私は西崎さんと同じくらい
目立つ立ち位置にいる

しかも〝可哀想な子〟で

私は西崎さんより嫌われてないし
なによりみぃちゃんがいる

味方になってくれる女子は
わんさかといるであろう

テニス部も私を邪険にしない
する理由すらない

だから私はこれから
みんなの注目を集めることになる訳だ

もう西崎さんの思惑とは
逸れ過ぎているのだ


丸井くんと仁王くんはもういい
幸村くんも大丈夫だろう
多少、不信感を持たれても

だって私は彼等のせいで
金坂さんに酷い目にあわされた

何もしていないのに

それがあるから
彼等は少なからず罪悪感を
感じてる筈

じゃないと保健室になんて
わざわざ来ないもんね


切原くん…彼からは何となく
嫌悪感は抱かれてないようだから平気

じゃあ…
柳くん、柳生くんからいこう

彼等は金坂さんが嫌いだったから

西崎さんが好きかどうかは
よく分かっていないけれど

頭の良い柳くん達の
思考回路を覗いてみたい


さて、どうやって話そうか

確か柳くんは生徒会の書記だった
気がするなぁ

生徒会担当の先生は
あぁ、うちの担任じゃないの

はい決定
柳くんに近づく方法見つけた

柳生くんは風紀委員

近いうちに服装検査があったから
その時でいいよね…


そういえば柳生くんは
生徒会によく入り浸ると聞いた

もしかしたら服装検査を
待たなくとも一気にいけるか?

いや、慎重に


最初は柳くん

6時限目が終わったら教室に戻ろう
それで、いや、それから


なんて楽しいんだろう
想像するだけでワクワクする

テニス部とお姫様


自分しか見えてない道が
安全だと信じ込んで
ふらりふらりと歩いて

足元が崩れかけているのにすら
気づけずにいるお姫様

そんなお姫様の手のひらに転がされ
いいように使われてる騎士様


可哀想だね
哀れだね

滑稽だね

私より、ずっとずっと






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