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道化師恐怖症。

第8章 変化って奴は気まぐれさ



「じゃあな。お大事に」

「うん、ありがとう」


チャイムが鳴ったと同時に
帰っていった丸井くん


彼の目の色は
完全に異常だった

恋は盲目とはこの事か
多分、丸井くんは西崎さんの為なら
なんだってするだろう

それこそ、どんな危険な
ことだろうが迷わずに

しかもそれは丸井くんだけじゃない
幸村くんも仁王くんも

柳生くんと柳くんはー...
どうなんだろ

真田くんと桑原くんは無いねぇ


…あ、そういえば切原くんのハンカチ
返すの忘れてたや

今から間に合うかな

それとも部活前の方が...
うーん…


ミーハーだと思われない為に
コソコソ渡すよりは堂々と
渡した方がいいだろう


じゃあ…今から行こ

6時限目が始まる
急がなきゃ


ベッドを出て保健室を後にする

幸い保健室から2年の教室は近い

確か…切原くんの教室は
I組だったかな

うわ、微妙に離れてる

ちょっと面倒
まぁでも仕方ないね



廊下を駆けるように進むと
あっという間にI組に着いた

周りの子から
なんか先輩がいるー的な感じで
コソコソされるのは気にしない

はい先輩ですけど何か


前のドアからそっと中を覗く

あ、いたいた
分かりやすいワカメ頭が

ここから彼の名前を呼ぶほど
親しくはないしなぁ…

しゃーない 使うか


「ねぇねぇ」

「は、はい?」


私が話しかけたのは前の方の席の
大人しそうな女の子

勿論選んだよ


「えっと…切原くん
呼んでもらってもいいかな?」

「え?あ、分かりました…」


先輩の頼みじゃ嫌とは言えないよね
ごめんね、大人しそうな子

彼女が切原くんのところへ行き
恐る恐る声をかけた

切原くんが私に気づき
驚いたのか何なのか分からないけど
目を見開いた

礼でもしとくか


切原くんがこっちへ来る

それに合わせてニコッと精一杯の
笑顔を作った

ミーハーに見えるかな
別に構わないか みぃちゃんいるし


「な、何スか?」

「ごめんね、急に。
これ、ハンカチありがとう」


ポケットから借りたハンカチを
取り出して彼に差し出す

丁寧に洗ってアイロンもかけた


「わざわざすんません…」

「いやいや!こちらこそありがとう。
それじゃあね」


簡単に済ませさっさと退散

長居は怪しまれるから






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