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道化師恐怖症。

第8章 変化って奴は気まぐれさ



どのくらい寝ていたのか

気づいた時、目に入ったのは
真っ白い天井

フカフカと柔らかいベッドに
私は寝ていたらしい

ここは保健室…かな

少し寝返りをうつ
お腹、痛い
顔も痛い

金坂さん、力強いなぁ
痛みは全く引いていない


時間…

ポケットを探ってケータイを開く

丁度、5時限目が終わるぐらいの
時刻となっていた

今日の6時限目、何だっけ

どうせならもう少し寝ていたい

布団を被り直して枕に顔を埋める


ガラッ


扉が静かに開く音

え?今、授業中ってか
もう授業終わるくらいなのに


反射で身体を起こす
やっぱりあちこち苦しい


「…あれ?
先生いねぇじゃんか」


この声…丸井くんかな?

彼ならサボりだろう
体調が悪いとは考えにくい

あ、食べ過ぎならあり得るかも

だから授業中だっつの


「なー如月起きてる?」

「え!?」


なんの躊躇もなく開けられたカーテン

別に寝てるか起きてるかの
どちらかだから構わないんだけど

なぜ開けたんですか丸井くん


「起きてるよー」

「おぉ!大丈夫かよぃ?」

「うーん…。まぁまぁかな」


大丈夫なわけあるか
かなりボコボコにされましたから

まぁでも笑っときます
笑顔絶やさない これ大事


「金坂なんかに殴られて
如月も災難だよな」

「でも、私が悪いのかも
しれないしね…」

「つーか昨日も殴れたんだろ?
赤也が言ってたぜぃ!」


…丸井くんは自分のペースで
どんどん話していく

なので私は聞き役に回るしかない


「切原くんが…」

「うわ、腫れてんな」

「え、あ、うん」


ほ ん と に 話 聞 か な い な コ イ ツ

自分のペースにもっていけないのは
中々辛いものだ


「まーでも良かったじゃん?」

「…何が?」

「アイツもういねぇし!
如月が殴られる事もねぇよ!」

「い、ない?」

「金坂、退学になったらしいぜ?」


退学、ねぇ
そりゃま妥当か

同じ部活の女子生徒に嫌がらせしてて
その子と仲が良い友達を
いきなりフルボッコにしたんだから

別に西崎さんと友達じゃないけど


「これでエリナを傷つける奴もいねぇ」


そう呟いた丸井くんの目は
どうしようもなく狂っていた









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