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道化師恐怖症。

第28章 処刑台でティーパーティー




シーンとした空気が漂い
15分ほど経った頃

パタパタと走る音が聞こえてきた


「...?」

「美琴ちゃん!!」

「おばさん!おじさん!!」


あぁきっとこの人たちが
蒼先輩の親さんだ

どことなく
蒼先輩に似てる


「蒼は!?今...」

「まだ、終わってないです。
いつ終わるか私には...」

「そう...。
ところで彼は?」


蒼先輩のお母さんであろう人が
俺の方を向く

こんな時だけど
少しだけ背筋が伸びた


「あ、蒼先輩と
同じ部活に入ってます!
切原赤也です!」

「あぁ、あなたが切原くん...」


思わず声が高くなった気がする
大丈夫だったか?

て、なんでお母さん俺のこと
知ってる感じなんだ?


「蒼がね、あなたのこと
お家で話すのよ」

「え!?蒼先輩が!?」

「あぁ。彼氏...なんだろ?」

「知って...!?
は、はい!彼氏です!!」


お父さんもお母さんも
俺が彼氏ってこと知ってんの!?
え、蒼先輩言ったのか!?

いや別にいいけど!


「蒼が出てきたら
ちゃんと話聞かないとなぁ」

「はい!話します!」


って言っても
俺は何を話せばいいんだろう

そんなことではてなが生まれた時
手術中のランプが消えた

大きな扉が開く


「先生!!蒼は...!!」

「大丈夫です。
手術は成功しましたし
命に別状はありません」

「...!!!」


一気に安堵感が湧いた

ホッとしたような顔になる


「しかし...」

「え、?」

「頭に強い衝撃があり
今は眠っておられます。
いつ覚めるかは...」

「起きないんですか!?」

「昏睡状態...ってこと?」

「簡単に言えば
そういうことになりますね」

「そんな...」


手術は成功した

命に別状は無いのだから
死ぬことは無いだろう

けど、目は覚ましてくれない


それがどういうことか
俺には分からない


ただ手で顔を覆うお母さんや
前城先輩を見て

そういうことなんだ、と
理解するしかなかった








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