第28章 処刑台でティーパーティー
やった、やった!
新商品の飴ちゃん出てた!!
中にガムが入ってるやつ
よく駄菓子であるけど
それを改良したらしい
それからフワフワマシュマログミ
ってのも買っちゃった
やっぱ飴やグミは買っちゃうよね
赤也くんとみぃちゃんと
3人で食べよっと!
あ、でも3人で食べるなら
他のお菓子も買ったほうがいいかな
んー...でもみぃちゃんは
あんなに細くて綺麗なのに
すぐ体重気にするし
赤也くんの好きなお菓子知らない...
まぁとりあえず飴とグミでいいや
それで食べながら
明日どんなお菓子が好きか聞こう
「〜♪」
あーもう嬉しくて思わず
鼻歌出ちゃう
早く帰ろっと
...ちょっとつまみ食いしちゃおっかな
「...うわ」
何だよー
ここの交差点いっつも人少ないのに
今日何かあったのかな?
早く進んでくれよ
あぁ、ほら青じゃんか
「もう...」
ちょうど私の前で赤に変わっちゃった
皆、携帯見る前に周り見ろ
くそスマホ歩きめ 腹立つ
ここの信号遅いんだから
そのくせ青は短いんだよね
どうなってんの全く
早く帰りたいのに
青になれー 青になれー
「...な、い。わた.....い」
は?
誰かなんかブツブツ言ってる?
きっとこの人も
信号でイライラしてるんだね
気持ちは分かるよ
「私は...エリナは...
悪くないのそうよ全部全部コイツが
悪いエリナは正しいだってお姫様
だもの正しいに決まってるのよ
神様に愛されてるんだから皆にも
愛されるべき存在なんだからすべて
正しい大丈夫悪くない」
聞きとりにくかった声は
今、はっきりと聞こえる
聞き覚え、ありまくる声
「西崎さん?」
「悪いのはアンタよ!!」
私の耳もとで
私にだけ聞こえた叫び
それを自覚した時
背中を思い切り押された感触
自らの意思を無視され
動かされた身体は
もうどうにもならない
せめて、せめて
彼女だけに分かるように
無理やり顔を動かして
「 」
その後、分かったのは
耳障りなブレーキ音が響いて
今まで感じた事無いくらい
強い力に弾き飛ばされた感覚だった