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道化師恐怖症。

第27章 どうぞ、こちらへいらっしゃい




残念ながら今叫んでも
こんなところにだーれも来ない

そんなに大きな声じゃなかったし
よほど近くにいないと
きこえないだろう

ところで


「なんで貴女が叫んでるの?」

「え、え...」


叫んだのは私じゃあない

耐えきれなくなった西崎さんだ


「え?ほんとに叫ぶと思った?
馬鹿だねぇ。阿呆だねぇ。
君と同じ事するわけないでしょ」


よくある呆れるポーズを
作りながら、嘲笑

わなわなと震え出すその姿は
とっても惨め

あぁかわいそう!!


「ドーンマイ」


じゃ、そゆことで

いつまでも西崎さんの相手を
してるほど暇じゃないんだ


地面に座り込んだ彼女の横を
さっさと歩いていく


「っ...!!如月!!!」

「あ、そうそう忘れてた」


悔しそうに睨むその顔を
冷たく見下ろす

言い忘れたことがあったな


「今、君は私に生かされてる。
それだけは覚えといてよ」

「は、ぁ!?
何様なのアンタ!!!」

「いつまでヒロイン気分でいるの?」


もう貴女は転落したの

1番の加害者となった貴女は
1番の被害者の私に何もできない

これ以上、居場所を減らす
そんな怖いことできる?

転校したとしても
こんなデカイ学校であった事件
きっとSNSで拡散されてるよ

君は逃げられない


「忠告ってやつさ。
信じるか信じないかは任せまーす」

「くっ...!!
消えろ!!!消えろ!!!!」

「言われなくても」


いつまでもこんな空気
吸ってられない

見えない酸素に貴女が吐いた
汚らしい二酸化炭素が
混じりあってるって想像しただけで
吐き気が生まれる


あーもうお終いかな

楽しかったなぁ


痛いことも辛いことも
全部全部、最後の喜びに繋がった


あれ?やっぱり私って
Mなのかもしれない

まぁ最後報われなかったら
楽しいも何も無いから
ちょっと違うよね、うん


彼女は転校するだろうか

そしたら花束でも贈呈してあげよう


今まで有り得ないくらい

最悪な気分で

消えていって欲しい




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