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道化師恐怖症。

第27章 どうぞ、こちらへいらっしゃい




「ねぇ、悪いのは君でしょ。
君がそうやって押し付けるから
皆も同じことするんだよ」

「黙れ!!!黙れ!!!!」

「西崎さぁん」


彼女と私の間にあった距離
それを少し、少しと詰めていく

唇の端にキュッと力をいれて
まだ、笑わないように

ほら段々と西崎さんの顔も
強ばってきたよ


「な、なによ!!
エリナに近づか...!!」

「今ここで私がさ、
西崎さんの真似をしたら
どうなるだろうね?」

「っ!!?」


西崎さんの真似

そんなの、言わなくたって
よく分かるはず

少し前までは私に味方なんて
ほとんどつかなかったけど
今だったら...


「試しにやってみよっか?
えっとー...、甲高くて煩い声で
叫べばいいんだっけ?」

「や、めなさいよ」

「もしまた貴女が私に何かを
したとしたなら
彼等はどうするんだろう?」

「やめろって言ってるでしょ!!」

「あぁ叫ぶ前に
自分の頬を叩いたりしないと...」

「うるさいのよ!!!!!」


バシッ

久しぶりに聞く痛々しい音
手も触れられない程ヒリヒリする

相変わらず変に
力強いよなぁ...

あれ?


「なんでそんなに青ざめてるのさ」


叩いたのは貴女なのに


「あ、あ、」

「あー...忘れてた。叫ばないと」

「ひっっ!!」

「あんなに大きな声でるかなー」


どれほど恐ろしい目に合うのか
想像できたのだろう

恐怖で染まった顔は
美しさの欠片も無い

とうとう座り込んじゃった


「あんまり痛くされないといいね」

「やだ、やだ...」


スゥ、とわかりやすく
空気を肺いっぱいに吸い込む

両手を頬に当てて
声が響くように


3

2


1



「いやぁぁぁあ!!!」



なーんちゃって






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