第26章 奥深くまで愛で満たして
「あれ?なんだか
腑に落ちない顔してる人がいるね」
まだ認めないの?
自分が何をしたのか
認める=許される訳じゃないけど
認めたらその分楽になれるのに
自分の行いを
罪だと感じた事がないから
その重さ、辛さを知らないのか
馬鹿ばっかり
だから損をするんだよ馬鹿は
「俺達はエリナを信じてたんだ!!
信じるのが悪ぃってのか!!」
「じゃあもう誰も信じれんのぉ。
信じても、裏切られ。
それでもお前さんは信じた俺達が
悪いと言うんじゃろ?」
なんだこの理解能力の無さ
誰が、いつ、そんなことを言った
なんで分からないかな
「君たちが心から彼女を信じてた。
それは分かったよ?
だから君たちは裏切った彼女を
責める権利があるさ。
それに、怒りを向けるのも当然。
だからこそ私にも
権利があると思わない?」
もう諦めなよ
丸井くんも仁王くんも
女子生徒のみんなも
被害者の前に加害者だから
「殴ったり、蹴ったり、怒鳴ったり
意味の無い土下座を強要したり。
そういえば私には「信じて」を伝える
暇すら与えられなかったね」
そんなもの伝える気
さらさら無かったですが
だって伝えた所で
意味は成さなかったもん
...でも
私はあんなに言ったのに...って
嘆いても面白かったかな
あ、ダメだダメだ
それだとヒロインっぽくなる
あくまで影は薄くないと
「何とか言ったらどう?」
「っ...!!うるせぇ!!!!」
「それはこっちのセリフだよ」
もう返す言葉も無くなったか
丸井くんたちは出ていった
それはもう乱暴に扉を開けて
西崎さんも慌てて
追いかけていったけど
追いかけてどうなるというの
「...ほんっとエリナちゃんって
ありえないよねぇ」
「ちょっと可愛いだけじゃん」
「人のこと騙してさ!まじうざい!」
彼等が居なくなって緊張でも解けたのか
ピーチクパーチクうるさいな
完全に論破しただろ 黙れっての
「ねぇ」
「っ!!!」
え、みぃちゃん
そんなに低い声が出るの
私もビクッてしちゃった
「いい加減に静かにしなさいよ。
さっきからうるさい」
「な、なんでそんなこと」
「黙れって言ってんの」
これ以上やばいと思ったのか
やっと静かになった
ふーやれやれ