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道化師恐怖症。

第26章 奥深くまで愛で満たして




「触んじゃねぇよ!!!」

「...うわーお」


教室のドアに手をかけた瞬間
中から聞こえた怒声

今のは丸井くんの声かな
きっと中は騒然としている


私はその空気をぶち壊すかのように
ガラッとドアを引いた


「あ、みぃちゃんいたいた」

「遅かったのね。堪能してきた?」

「堪能ってなにさー!」


丸井君たちの事は一切無視で
いつも通りに席に着く

彼らも驚いてるみたい


「ねぇ、ブン太ぁ!雅治ぅ!
エリナは何も」

「俺たちのこと
騙してたくせになんなんだよ!!」

「今更謝っても
もう遅いと分からんのか」


はーあ くだらない喧嘩
昨日も散々言ったけど
今回のことは騙される方にも
非があるじゃないか

なんでそれを認めないかな


「エリナちゃんって嘘ついてたの...?」

「!!!っちが!!」

「あぁそうだよ。
この女は俺たちを騙してて
笑ってたんだよ」

「ブン太!なんで!」

「酷い!!私たち信じてたのに...」


嘘泣きを始める女子生徒

冷たい目の2人

顔面蒼白の西崎さん

全部、全部が心地よくて
気持ち悪くて反吐が出る


「いーかげんにしてくんないかな」


シーン...と静まる教室


私は彼らの方も見ずに
言葉をツラツラと繋げる


「くだらない悲劇でも作り上げてんの?
みんな自分の事だけを
哀れだと嘆いて何がしたいの?

お前ら全員同罪なんだよ」

「俺たちだって騙されてたって...!」

「散々言ったじゃないか。
暴力をふるったのは誰だ。
痛い言葉を突き刺したのは誰だ。
全部、彼女の差し金なわけ?」

「っ...」

「ほら、誰も何も言えない。
全員、非があるのを分かってるのに
それを認めたくなくて
西崎さんに押し付けてるだけ。

悪いことをしたら謝るって
小学校で習いませんでしたか?」


まぁ今回の件で
見て見ぬ振りとかしてた人は
正直どーでもいい

戯言に乗せられて
私に攻撃してきた人だけ
罪悪感を感じればいい

ほら、じわじわと苦しくなってきた
どう?気分悪いでしょ


私は最高の気分だよ
高揚感のある...この気持ち!!

君らには一切
分からないだろうね





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