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道化師恐怖症。

第24章 マリオネットは踊り狂う




「赤也!!
精市たちはいたのか!?」


さっきからまた足音が
聞こえてきたから来ると思った

きっと赤也くんは
彼等に探してくると伝えて
ここまで来たんだろうな

...真田くん、桑原くん


「あ、副部長たち...」

「っ!??
こ、これはどういう事だ...!?」


そりゃ彼等が驚くのも無理はない

今回、2人は
言ってしまえば蚊帳の外

詳しい事情なんて
全く知らなかったはず

やんわりとしたものを
感じ取ってはいたとしても


きっと今日も
普通の練習をしようとしてた

けど、一向に現れない部長たち
最近練習に身を入れないのは
目に見えて分かっていた

どうせ、今日も...と
その場にいる3人と補欠の部員と
こなしていた練習


多分、おかしいと思ったのは赤也くん

私と幸村くんたちの姿の無さに
嫌な予感でもしたんだろう

探してくると伝えコートを出る


真田くんたちは心配するような
事でもないと思ってたんじゃないかな

幸村くんのことだ
大方、外周でもしてくるなんて
言ってあったに違いない


それにしてもあまりの遅さに
彼等も探し始める

最終的にたどり着いた部室


そこには
呆然と立ち尽くす部員たち

狂った美しかった筈のマネージャー

そして、傷だらけの私
怒りを顕にしている赤也くん


「げ、弦一郎!!ジャッカル!!
2人はエリナの味方でしょ!?」

「はっ?」

「ど、どうしたんだ西崎」


あれほど蔑ろにしてたのに
行く宛無けりゃ縋るってか

みっともない


「真田。ジャッカル。
彼女は俺たちを騙してたんだよ」

「は...?
すまん、いきなり意味が」

「コイツは!!自分の為だけに
俺等の気持ちを踏みにじったんだよぃ!」

「はは...まさか詐欺師が
騙されるとは...情けない話ぜよ」

「データ不足とでも言うのか。
ありえない、そんな事は」

「貴方たちも騙されますよ。
離れた方がいい」

「み、みんな!どうして!!」

「口を開くなよ下衆が」

「ッッッ!!!!」


やはり彼等には
人に罪を擦りつける事しか
できないみたいだ

全ての罪を背負わされる西崎さん

もう愛をくれる王子様は
どこにもいやしない

みんな手のひらを翻した


やっぱり、可哀想







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