第23章 あぁ酸素が足りないよ
みぃちゃんは会長を
やめてしまった
私はテニス部、いや
それ以外からも敵と見なされた
もう後戻りは出来ない
する気もないけど
さて、部活へ行きますか
「蒼先輩!」
「…赤也くん」
彼と話したのは
久しぶりな気がする
何も変わらないそのくせ毛が
なんだか懐かしい
「なんか、丸井先輩とかが
変なこと言ってたんスけど…」
それはきっとあの時の事だ
部活前にやるんでしょ
〝制裁〟ってやつを
本当は身体に傷なんてつけたく
無いんだけど…
不可抗力だからなコレは
「…なんだろう?
でも、大丈夫だよ」
「は!?」
「きっと皆も
そんな酷いことしないって!
大丈夫、大丈夫!」
ポジティブな部分だけは
ずっと残しておく
それが消えてしまったら
赤也くんにさえ見放されそうで
少しだけ、怖いんだよね
「また、放っておけって
ことッスか…?」
悲しそうに眉を下げる彼を見て
心臓の辺りが鈍く痛む
頼って欲しいんでしょ?君は
まぁ私も頼りたいんけど
今は無理なのさ
察してくれないかなぁ
難しいか
「だって大丈夫だもん。
本当だよ?」
「…俺がどうしても危ないと思ったら
蒼先輩には悪いッスけど
全力で守りますからね」
赤也くんは、やめた
私の言う事を全て聞くのを
彼の意思で、
私を守る事を決めてくれた
丸井くんや仁王くんより
よっぽど素敵なナイト様だ
そんな彼の好意を
無下にする訳にはいかないね
「分かった。
もしそうなったら、助けて」
「はい!勿論です!
だから蒼先輩も
無理はしないで欲しいッス」
「ありがとう。
しないよ?無理なんて」
だって私がやることは
全然無理じゃないから
嘘なんてついてないよ
ただ言葉が足りないだけ
さて、行こうか部室
きっと皆待ってる
あまりにも問題があれば
赤也くんが守ってくれる
みぃちゃんもいる
いつの間にか
私の周りにできた人
その人たちの優しさに
私はかなり救われてきたんだと
実感してしまうよ
早く西崎さんをボコボコにして
2人にお礼でもしないと