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道化師恐怖症。

第22章 劣等感をパンに塗りたくった




私は少しの間、西崎さんの近くにいて
彼女の周りに女の子が近寄らない…
いや、レギュラー陣以外が
近づかない理由が分かってきた


それは彼女が
完璧すぎるから


性格悪い時点で
完璧とは言えないことなんて
分かっているけれど

顔が可愛くて
(大体の人には)優しくて
頭も良くて運動神経もいい


彼女はあまりにも
完璧すぎてしまったのだ


それと反比例しての
性格の歪みは何から生まれたのか
知る由もないが

ただ彼女は凄すぎた


だから誰も近づけれない


皆、彼女より劣っているという
事実を突きつけられてるからね

もちろん私も同じ


だって誰でも
望んで自分より綺麗な人と
並びたくはないでしょう

比べられて自分が見下されること
分かってるんだからさ


男の子だって
いくら可愛くてもあんな人の
彼氏になればお似合いでないの
彼氏が地味だの言われるに違いない


その点テニス部は
自分たちの容姿を自覚している

自身に満ち溢れてる

だから彼女に近づけれる


類は友を呼ぶ、なんて
昔の人は言ったらしいが
まさにこれだろう

昔の人ってすごいねほんと


だから結局
何が言いたいのかっていうと

西崎さんとお近づきになる為には
それ相応の自身と覚悟が無いと
無理だよって話


今更近づく子なんて
いないと思うでしょ?

それがいるんだよね


私が悪役になっちゃったからさ



それでも私のこの考えは
正解だったと思うよ

だって西崎さんに話しかける人
彼女くらいの可愛い人しかいないもん


美しい人の周りは
美しさで囲うべきってか?

面白すぎて反吐が出る



でね?それだから私は
本当は彼女に近づいちゃいけなかったの


私は禁忌を犯したんだ


道化師はただ皆の前で
馬鹿げた事をして笑いをとってれば
それで良かったのに

お姫様に話しかけたりするから


騎士や王子様に
制裁を加えられたってわけ


後悔?
そうだなぁ…なんて

考えるはずも無い


後悔なんて時間の無駄
してるくらいならこんなこと最初から
やらないってもんだよ



道化師の手によって
お姫様はお姫様じゃなくなるんだから

そこまでちゃんと見といてね



人が落ちる瞬間って

ほんとたまんない










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