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道化師恐怖症。

第21章 ディストレーションを感じて




多分、近くにいたんだろう
来るのがあまりにも早い

駆けつけてきたのは
丸井くんと仁王くん

どうせ心配だったからーとか
そんなんでしょ


てか来るのはいいけど
ここ女子トイレだぞ 何入ってきてんの


「蒼…ひどいよぉ…」

「エリナ、何があったんだよ?」

「如月になんかされたんか?」


はい私の意見聞く気ないですねー
安定ですねーわかります

てか女子トイレで
女子を慰める男子2人とかほんと
面白いわ シュールで


腹抱えて笑ってやろうか


「蒼にぃ、大丈夫?って
言った、だけなのにっ。
突き飛ば、されて、お前のっせいだ、
って…」

「はぁ!?んだよそれ!」

「ことごとくクズじゃな」


クズとかお前らに言われたく
ありませんからー!ざんねーん!


てか突き飛ばされただけで
叫ぶとか何事 やってないけど

いくら自分の顔を叩くのは
気が引けるからってさぁ
雑すぎじゃないですか


「私、そんなことしてな…」

「てめぇふざけたことばっか
やってんじゃねぇよ!!」


もちろん、否定は聞かない

それどころか胸ぐらをつかまれて
息がしにくくて苦しい

私より何cmも高い男に
こんなことされたら余計に


「ぐ…ぅ」

「どーせお前だって
ミーハーだったんだろ!?
それでエリナに嫉妬して
エリナ傷つけやがって!!
コイツの優しさ無駄にしやがって!」

「や、ってな…」

「ここまでされても
自分の非を認めんのか。
滑稽じゃのう。如月」


あ、やばい
本当に苦しくなってきた

もう喋る気力もなくて
必死に首を振る


「こんなことばっかりやっとって
何が楽しいんじゃ?
そんなに俺達が1人の女を
好くのが気に入らんのか?」


君たちの恋愛なんて
ミジンコ程も興味はない

ただ君たちの堕ちる顔が見たいだけ


何度も何度も首を振るけど
一向に意味は持たないようだ

急に腹部に走った痛みが
その真実を物語った


「がっ…!」

「それならお前さんにも
同じ痛みを合わせれば分かるんかね」

「そりゃあいいや。
そうしようぜ」


とうとう本格的な暴力に入りますか

ほら、その拳上げる前に
後ろの女見てみなよ


すごい顔で
笑っているから






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