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道化師恐怖症。

第21章 ディストレーションを感じて




「みぃちゃんは可愛いよ。
西崎さんより何倍も」

「…はぁ?
エリナより前城が可愛い?
あんた目ぇ腐ってんじゃない」

「こんな酷いことばっかりする
西崎さんより
みぃちゃんの方がずっと綺麗」


しっかりと彼女を見据えて言えば
やはり勘に触ったようだ

わなわなと震えている


「西崎さんって顔はいいかも
しれないけど、心がとても
不細工なんだね!!」

「な、んですってぇ…?」

「だってそうじゃん。事実だよ」


こんなことでしか
自分を表すことができないなんて

世界で一番不細工だ


「黙れ黙れ黙れ!!!
エリナは可愛いの!!!
この世で一番可愛いの!!
だから神様にも愛されたの!!

どうせエリナに嫉妬して
皆を奪いたいだけでしょぉ!?
これだからトリッパーは!!
そんなのヒロインが許ないわ!!」


もう彼女は
何を言っているんだろう

その形相が恐ろしすぎて
思わず息を飲む

言ってることもほんと無茶苦茶
二次元と三次元の区別が
つけれていない感じ


「身の程知らずには
お仕置きが必要みたいねぇ?」

「っ、何する気…」

「決まってるでしょ!
きゃぁぁぁああああ!!!」


不愉快な甲高い音が
耳に突き刺さってジクジクする

多分、レギュラーを
呼んだんだろう

完全に私を
悪役にするために


いいじゃん
なってやろうじゃん

冤罪をかけられた悪役


どうせ誰も
信じちゃくれないんだ

そして理不尽な怒りを振るわれ
私の立場はなくなる


すると、笑うんだ

西崎さんは幸村君たちは
大声をあげて指さして


お前が悪いんだって


きっとそれは
何よりも醜いことだろう


どれ程見た目が綺麗でも

中の黒いドロドロが
皮膚の隙間から零れ出て

辺りを侵食していくんだ


だからそれに侵された人が
1人、また1人と増えていって


「どうした!?」

「何の声じゃ!?」


見慣れた人たちが

変わっていく


これも運命だったと
飲み込めれば話は早いのに






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