第1章 みんなに色んな思いを伝えよう!!
「その真っ赤な顔、可愛すぎだろ。説得力がない…」
確かにこの赤面症はなんとかしなければならないが、どうにも出来ない
それにチャラいと思っていたのに意外と人の心に刺さることを言ってくる
こんな人は初めてだ
「……ご、めん…なさい」
これ以上赤くなった顔を見られたくなくて俯きながらそういえば余計に顔が火照った気がした
そうすれば頭に手を置かれてポンポンと軽く弾くような手つきで触られた
無性にドキドキした
「なんだ、言えるんじゃねーか。よし、これで一歩前進だな」
けれど、あまりにも恥ずかし過ぎた私は…
「あんまり子ども扱いしないでくれる!!何なの子どもをあやすみたいな手つきは!」
つい、強がってしまい結果
「…折角、可愛いと思ったのに…俺の心を返せ!」
「うっさい!声でかい!つか、あんたの心なんて微塵も受け取ってませーん」
「なっ…本当に可愛くねー!」
だけど、こんな言い合いしたの初めてだし、こんな距離が近いと思ったこともなかった
だから私の口は素直じゃないけれど心は空のように澄んでいる
「とにかく!あんたに慰められたとか思わないから!」
「つか、あんたじゃなくて智也だ。松永と・も・や!覚えとけ強気女」
分かっている
素直になれたらどれだけいいか
どんなにいいことが待ち受けているか
少し気持ちを変えたのはあんただ
だから、せめてもの気持ちを返す
「もう、いいでしょ!私、忙しいの。用事あるから…まぁ、またいつかは、話せ…たらいいね。智也…」
私はそのまま、その場から走り去ってしまった
ありがとうの精一杯の気持ちを残して
「何か…キュンときた…」
これが思いを伝えた始まり
みんなに思いを伝えよう
これが彼と彼女の思いの伝え方