第1章 みんなに色んな思いを伝えよう!!
私は何も要らない
だから深入りする必要なんて一切ない
ずっと浅く広く付き合っていけばいい
そんな思いで始まった高校生活で彼らと出会う
-みんなに思いを伝えよう!!-
教室はいつもどうりガヤガヤとうるさい
出来ることなら静かな場所で過ごしたい
そんなことを思った私は教室を出て行くことにした
本を読みながら歩いていた私は集中し過ぎていて目の前から来る4人の男子に気づいていなかった
「おっと!」
「えっ…?」
私は目の前で男子の声がしたのに顔を上げた
その人は赤毛で見た目はかなりチャラそうなイメージが私の第一印象だった
彼はぶつかったことに驚いてはいたが、すぐに笑顔になって肩を掴んできた
「大丈夫か…?悪いな。ふざけてて」
「…気をつけて。迷惑だから。それから手を離してほしい」
笑いかけてきた彼の表情は目が点になり周囲の男子も凍りついていた
そして引きつった笑顔を作りながら私の肩から手を離した
周囲の男子がひそひそと何かを言い出す
「う、うわぁ…まっつん…女の子からあぁされることなんて滅多にないのに…」
「うん。凄いね。あれくらいの女の子が従ってくれた時の顔が見た「恵ちゃーん!」
「あれは…ゆいちゃん…是非あなたのフィギュアくださ「つよぽん!」
何やら後ろの方で騒がしくなっているらしいが私には一切関係ない
これで関わってこなくなるだろうと歩き始めようとしたその時だった
急に腕を引かれてつい立ち止まって後ろを向いてしまう男の力は強くて、そこから動くことも出来ないでいた
「強がり…凄くプライド高いんだな…お前」
「な、何なの!?」
優しい瞳で私を見てくる赤髪の彼
その瞬間、全て言い当てられたような気がして驚愕のあまり彼しか視界に見えなくなった
読んでいた本が落ちる音が聞こえない聞こえないくらい戸惑っている
彼はウインクすれば私に言った
「本を読んで目の前を見てなかったのも悪いよな?こういう時は、ごめんなさいだろ」
すごく当たり前のことを言われている
それが凄く恥ずかしくなって顔が一気に赤くなった
どうして目の前にいる男に謝らなければならないのか私のプライドが、どうしても邪魔をする
「な、何であんたなんかに言われきゃいけないのよ!それに腹立たしい…」
思いっきり睨みつけてやると、ふっと笑われて頬に手を添えられた