第14章 熱
それから色々看病して、夕方になった。
俺は気持ちよさそうに寝息をたてる隼人の寝顔を眺めながらため息をついた。
昨日今日と、何か疲れたな。
まぁそりゃ、弟や妹の看病をするのとまたわけが違うし。
あ、そういえば、俺飯食ってない。
でも腹減ってるわけでもないしな…。
もう一度ため息をつき、椅子から立ち上がり部屋を出た。
その時丁度、俺の携帯の着信音がリビングに鳴り響いた。
テーブルに置いてある携帯を手にとり、画面を見る。
クラウスさんからだ。
通話ボタンを押し、携帯を耳に当てる。
「もしもし」
『あぁ、貴夜。よかった、出てくれて。今忙しいかい?』
「いえ、大丈夫です」
『長電話になると君の彼が怖いから速急に用件を伝えるよ』
「あー…今は大丈夫ですよ。あいつ寝込んでますから」
『え?』
俺はクラウスさんに軽く事のいきさつを話した。
クラウスさんは「へぇ意外だね」と言って少し感心した様子だ。
『じゃあ、彼についていてあげないといけないか…』
「何か、仕事関係の用件ですか?」
俺がそう言うと、クラウスさんは唸る様に「うーん」と返事をした。