第14章 熱
「何か隠してるだろ」
その鋭い指摘に、思わず隼人から目を逸らした。
「べ、別に。ほら、大人しく座ってろよ」
隼人を押し返し、椅子のところまで連れて行く。
不服そうな顔をしながらも、隼人は大人しく座った。
温めた料理をテーブルに並べ、蜂蜜を溶かしたお湯も渡す。
「何かまだ食べたいものとかあるか?」
そう問うと、隼人は俺を真剣な目で見つめた。
「貴夜」
「ん?」
「いや、そうじゃなくて、貴夜が食べたい」
「いくら熱があったとしてもそこまで優しくしないぞ。大人しくしとけ」
悔しそうに顔を歪める隼人。
それを見るのが、少し楽しいと思った。
「ごちそうさま」
見事に完食した隼人を見て、だいぶ元気になったんだと安心した。
食器を重ねていると、隼人に腕を掴まれ引っ張られた。
「ちょ!?」
俺の部屋に入り、ベッドに押し倒される。
「な、何だよ!」
「まだ……」
俺の服を捲りながら、隼人は怪しく笑った。
「お前を食ってないから」