第14章 熱
更に数十分後。
俺がリビングでパソコンに向かっていると、隼人が起きてきた。
「あ、起きたのか」
立ち上がり、用意してあったご飯を冷蔵庫から取り出す。
「一応作ったけど、食うか?」
「…うん」
小さく頷いたのを見て、まだ体調悪いのかなとか心配になる。
電子レンジに作ったのを入れてあたためる。
その間何か温かい飲み物でも作ろうと思いカップを棚から取り出す。
蜂蜜とかでいいかな。
「なぁ貴夜」
「ん?」
「お前、俺に何かした?」
その言葉を聞いて、手に持っていた蜂蜜を落としてしまった。
「な、何で?」
慌ててそれを拾い、作業を続ける。
「何か、体が軽いから」
隼人が椅子から立ち上がり、キッチンに向かってきた。
「そう、なんだ。よかったじゃねぇか、熱下がったんじゃない」
あははと誤魔化す様に笑う。
隼人は俺の横で立ち止まり、頬に触れた手で隼人の方に顔を向かせた。