第14章 熱
飛行機が着陸し、周りの人がどんどん降りて行く。
俺たちも同じように人の波に流され、機内を出る。
本当に大丈夫か?
ふらふらしてるし…。
いつ倒れるかも分からない状態の隼人を支える準備を一応する。
空港を出た瞬間、隼人は力が抜けた様に崩れ落ちた。
「あっ、おいしっかりしろ」
体を支え、辺りを見渡す。
丁度タクシーが止まりそれを捕まえた。
運転手にも手助けしてもらいながら、車内に運ぶ。
「病院に向かいますか?」
「いえ…」
確か隼人は病院が嫌いだったから…。
病院に行ったら暴れるかも知れないし…周りに迷惑かけるぐらいなら家で看病した方がいいよな。
そう思い、運転手にとりあえずマンションに向かうよう伝えた。