第14章 熱
マンションに着き、部屋に運び込んだ。
隼人をベッドに寝かせ、直ぐに体温計を用意する。
熱を計っている間に氷を用意し額に乗っけた。
ピピピと音が鳴り、体温計を確認すると、39℃もあった。
「今日はゆっくり寝てろ」
それだけ言って、部屋を出ようとしたが、隼人に腕を掴まれた。
「…隼人?」
熱を持った目で俺を見る。
「も、少し…。側にいてくれ…」
静かに呟かれたその言葉が、何だか嬉しく思えた。
そうだよ、もっと甘えていいんだよ。
俺はベッドの横に座り、隼人の手を握り返した。
隼人が寝息を立てて眠ってしまって暫く経った後、部屋から抜け出しキッチンで風邪にいいものを作った。
お盆に乗っけて、部屋に運ぶ。
まだ眠っている隼人の横に座り、寝顔を見つめた。
苦しそう。
弟や妹を看病する感じに頭を撫でてしまって、何だか恥ずかしくなった。
「ん……たか、や…?」
「あ、悪い。起こしたか」
体を起こそうとする隼人を止め、またベッドに押し戻す。
「大人しく寝てろ」
「……いい匂いがする」
作ったものの方を見て隼人が言った。