第13章 家族
数十分後。
俺は不機嫌な貴夜を宥めていた。
「悪かったって。許してくれよ」
「嫌だ」
こいつは何に怒っているのかと言うと、行為中に俺が恥ずかしい台詞を言わせた挙げ句その後バカにしたからである。
まぁこれは全面的に俺が悪いが…。
え?どんな台詞かって?
教えたら貴夜に殺されるからやめておくよ。
「ホント悪かったって。反省してる」
「信じられない」
頑固だなぁ。
まぁ拗ねてるとこも可愛いが。
「あとあんまりこーゆー事は家でするなよ。皆起きてしまうだろ」
「別に皆知ってるからいーじゃん」
「知られても見られたくない事だってあるだろ!」
何でそんなにガード固いんだ。
「お前ら家族は仲良いから見られてもいいだろ」
「は、恥ずかしいし、嫌だし!」
顔を真っ赤にした貴夜が持っていた枕に顔を埋める。
か、か、可愛い…!
あぁぁぁ抱きたい!
でも今手ぇ出したら殴られるよな…。
あぁでも…!
「つーかさ、お前ももう、家族みてぇなもんだから…他人事みたいに言うの、やめろよ」
「……………え?」