第12章 報告
驚きすぎて、口をパクつかせている。
貴文にしては珍しい表情で面白かったから、思わず噴き出しそうになった。
「な、何で日本に!?」
「ちょっと休みを貰って、帰って来れたんだ」
完全に頭が追い付いて行ってないって感じだな。
まぁ面白いからいいか。
「とりあえず、中入って!」
そう言われ、久し振りの我が家へと足を踏み入れた。
あぁ何か、温かい。
この感じ久々だ。
「リビングに皆居るから」
貴文はちょっと嬉しそうに笑いリビングへと一足先に入った。
「朝妃、いづみ、姫果!貴夜兄来たよ!」
「え?」
「何言ってるの貴文兄。貴夜兄は今カナダに……ってえぇ!?」
俺がリビングに顔を覗かせると、驚き声を発した朝妃といづみの顔が貴文と同じでまたしても笑いそうになってしまった。
それを堪えつつ、軽く手を振る。
「ひ、姫果!姫果起きて!」
「んー…?」
いづみが、眠っていた姫果を叩き起こす。
別にそこまでしなくても…。
欠伸をしながら起き上がった姫果は俺を見るなり、また横になる。
「いい夢だなぁ…」
「夢じゃないよ姫果!」
夢だと思ってるのか?
何か、まだ皆可愛いな。