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ツンデレと腹黒のそれから

第7章 出張


翌朝。

目を覚ますと、隣で隼人が寝ていた。

こいつ、酔って俺の部屋に来たな。

呆れつつも、毛布をかけてやる。

今日から朝は早いし夜は遅い。

クローゼットからYシャツとスーツ一式を取り出す。

それらに袖を通し身支度を整え、部屋を出た。

キッチンに行き、朝食の準備をする。

隼人が起きてくる気配はなく、結局俺がご飯を食べ終わるまで起きてこなかった。

まぁいつもだったら、この時間帯に起きてるからな。

勝手に起きるだろうと思い、俺は置き手紙だけ置いてマンションを出た。





あいつ、ちゃんと起きてるかな。

何て心配になる。

でも案外しっかりしてるから大丈夫か。

会社に着いた俺はエレベーターに乗り、ドアを閉めようとした。


「待って、乗るよ」


飛び込んで来たのは、クラウスさんだった。


「クラウスさん、おはようございます」

「貴夜か。今日は早いんだな」


息を整えながら、クラウスさんはいつもの様に笑う。


「はい、ちょっとしなければならない事が沢山あって」

「そうか…無理だけはしない様にな」


頭を優しく撫でられ、更に額にキスをされた。


「!?」


予想外のことに、思わず顔を赤くする。

それを隠す様にうつ向いた俺の頭上から笑い声が聞こえた。


「これぐらいのスキンシップは、君の彼も許してくれるよ」


優しく笑うものだから、咎めることも出来ないし、恨めない。

元々恨もうとか思ってないけど…。

それに甘えてしまってる自分が、何だか恥ずかしくなった。
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