第6章 ありがとう
狭い浴室に2人。
シャワーからはお湯が出て、俺たちの肌を濡らしていた。
「んっ…」
深く口付けをされ、湯気と自分の熱で逆上せそうになる。
「んー、4つか」
隼人が顎に手を当て言った。
「何、が?」
ぼーっとする頭で考えながらそう口に出す。
だが隼人は答えず、ひとりで頷くだけだった。
「じゃあ俺は、その倍つける」
「え……あっ!」
にこやかに言った隼人は、突然首筋に噛み付いた。
「や、ちょっと…っ!」
クラウスさんに付けられた痕周辺に、上書きする様に隼人も付けていく。
「後ろ向いて」
言われるがまま、隼人に背中を向けると、今度は背中に舌を這わせた。
「あっ……ん…」
そして、痕を残す。
「お前の白い肌には、やっぱり俺の付けたやつが一番映える…」
「このっ……変態…ぁ!」
いくつぐらい付けられただろうか。
流石に隼人も疲れたのか、肩で息をしている。
「何か、濡れてるお前って色っぽいな」
「な、何言って……ぅあ!」
今度は胸の突起を口に含み舌で転がす。
「く、ぅ……」
声を我慢していると隼人は動きを止め、俺を見上げた。
「貴夜、俺の前では、我慢しなくていいんだよ。声」
顔が赤くなるのが分かった。
そんな俺を見て隼人は、嬉しそうに笑ったのだった。