第4章 仲良く…
翌日。
廊下にて。
昨日は、用事がある時はお互い報告し合うと言うことで丸く収まった。
あいつは怒ってたけど…。
それに、襲われかけて…。
その時に付けられた首筋の痕を撫でる。
あの野郎、見える所に付けやがって。
ばれたらどうしようと言う不安と、恥ずかしさが入り混じって変な気持ちになる。
でもこの間の飲み会で、係長は早目に言っておいた方がいいって言ってたけど…。
何か、こんな形でばれるのも嫌だな。
「はぁ…」
思わず、ため息をついた。
「お疲れかい、貴夜」
振り向くと、そこには優しい笑顔を浮かべているクラウスさんが立っていた。
「クラウスさん、おはようございます」
「おはよう。資料室にそれ運ぶのか、手伝うよ」
そう言って、クラウスさんが俺の荷物を取り上げる。
「そ、そんな、大丈夫ですよ。それにクラウスさんの手を煩わせるわけには…」
「貴夜、昨日も言っただろう。僕の事は社長としてではなく、ひとりの男として扱ってほしいと」
それはそうだけど…。
うつ向く俺の頭を軽く撫で、資料室へと歩いて行くクラウスさん。
俺はその後を追いかけた。