第4章 仲良く…
店内はお洒落な雰囲気で、高級感が漂っている。
出てきたステーキを一口、口に入れる。
そして口内に一気に濃厚な味が広がった。
「お、美味しい…!」
「気に入ってくれてよかったよ」
クラウスさんも同じモノを食べる。
本当に美味しい。
てか、これ凄く高い…よな。
そう思うと、何だか食べづらくなった。
「どうしたんだい?」
クラウスさんが俺の顔を覗き込む。
俺は慌てて笑顔を見せ「何でもないです」と言った。
少しスローペースだが、味わって食べることにした。
うん、やっぱり美味しい。
ソースも凄く濃厚で、このお肉に合っている。
思わず、ため息が出る程だ。
食後のデザートにケーキが出され、それも高そうな代物だった。
でも、凄く美味しい…。
「デザートの味はどうだい?」
「美味しいです、こんなケーキ初めて食べました」
クラウスさんは嬉しそうに笑い、手を俺に近付け、口元を拭った。
そして、親指についたクリームを、自身の舌で舐め取る。
「あっ…」
それが自分の口元に付いていたクリームだったと気付き、恥ずかしさで顔が熱くなった。
「すいません…」
「何を言ってるんだ。これは僕がやりたかったからやったんだよ」
し、紳士だ…。
きっとモテるんだろうなと思いながらも、俺も笑顔を浮かべた。