第18章 ドキドキ☆プロポーズ大作戦!!
俺は部屋を出る。
「ちょっと、待って!」
クラウスさんに呼び止められるが、俺はすたすた歩く。
「ちょっと落ち着きなって」
クラウスさんに腕を掴まれ、俺は立ち止まった。
「あれは、お互い本心じゃないだろ?」
「…」
それは、多分そうだと思う。
俺もあんなこと思ってない。
ましてや帰ってくるなとか…。
「あぁ~……俺、最低なこと言った…」
「きっと貴夜もそう思ってる。戻って話し合いなよ」
でもそれは、俺のプライドもあるし…。
それにもしかしたら、貴夜は本心だったかも知れない。
俺が部屋を出て行く前、貴夜は俺に言った。
『もう、お別れだ!』
あれは、付き合うのをやめるってことだよな。
そんな状態の貴夜に会っても話し合いが出来る筈もない。
しかも帰ってくんなって言ったの俺だし。
「もう、こうなってしまったから仕方ありません。帰ります」
「何で…!」
「俺は……もうあいつを傷付けたくありません」
俺はクラウスさんの手を振り払い、屋敷を出た。
待っていた車に乗せられ、マンションへと帰った。