第17章 カミングアウト
数日後。
会社に行くと、やはり色々聞かれた。
と、言うことは、皆に認めてもらってるってことなのか?
まぁ認められるのも困るが…。
「おい隼人」
「え、何?貴夜から話かけてくれるなんて嬉しい。デートの誘い?それとも…」
「仕事の話だ」
しょぼんとする隼人をほおっておき、話を進める。
「──で、こうなんだが……って話聞いてるか?」
「え?あぁ、聞いてる聞いてる」
明らかにぼーっとしてただろ。
俺はため息をつき、隼人の頬をつねった。
「何でぼーっとしてたかは知らねぇが、人の話はちゃんと聞け」
「ごめん…。話を聞いてなかったのは謝る。が、お前にも非はある」
はぁ?
さっき俺、何か悪いことしたか?
思い当たらず考えていると、隼人は俺をびっと指さした。
「何でそんなに綺麗なんだ!」
数秒の沈黙。
俺は思いっきり隼人の手を叩いた。
「いって!」
「何だそれ。あーあ、今日の夜折角外で飯食おうと思ってたのに、萎えちまったよ」
「え、ごめん!行こうご飯!」
そんなやり取りをしていた俺たちは、バカップルにしか見えなかったそうだ。