第17章 カミングアウト
翌日。
目を覚ました俺は、隣でにやにやしながら俺の寝顔を眺めていた隼人の顔面を殴った。
ベッドから抜け出し、服を持って部屋を出ようとする。
「貴夜」
呼び止められ、振り向いた。
「好き」
突然の告白に、不覚にもドキッとした。
俺はドアを開き、フッと笑って部屋を出た。
「それは反則だろぉぉお!」と言う隼人の叫び声が聞こえたが、今はほっておこう。
自分の部屋から着替えを引っ張り出し、脱衣所へ向かった。
鏡の前に立ち、無数についてる痕を眺める。
ホント、容赦ねぇなあいつ。
余裕無さそうな顔してるくせに…。
「はぁ…腰痛い」
今日会社休みでよかった。
会社行ったら、色々聞かれそうだな。
浴室に入り、シャワーを出す。
お湯が俺の体を濡らし、あたためていく。
まだ、隼人の感触が残ってる。
でも、不快ではない。
俺の好きな感触だから…。