第17章 カミングアウト
これは、どんな関係と言えばいいんだ…?
正確に言えば恋人なんだろうが、ばれたくもないし。
友達って言うのも、少し違う気がする…。
「タカヤ、もう言ってしまえよ」
係長が、悩んでる俺の肩をくみそう言った。
あれ、もう酔ってる?
「そうしたら、楽になるぞ?」
俺は彼女の恐ろしい提案にさっと顔が青くなるのを感じた。
いつの間にか係の人全員と周辺の数人の人がこちらの話に耳を傾けている。
「えー、リサさん知ってるんですか?彼らの関係」
「あぁ。と言っても、全員薄々気付いてると思うぞ?」
………え?
嘘だろ!?
「あ、やっぱりそういう関係なんですか?」
「あ、いや、えっと…」
俺が弁解しようと口を開いた時、違う場所でも歓声が上がった。
そちらを見てみると、人だかりの中心で隼人が焦った様子で何かを言っている。
一体何が?
「おー、あっちもやったみたいだな」
係長はニヤリと笑うと、俺を押してあの中心へと連れていく。