第17章 カミングアウト
「カンパーイ!」
係長の掛け声で、グラスを合わせる。
グラスに入った飲み物を、俺はグッと飲み干した。
「いやぁ、皆お疲れ!無事お菓子を全部配ることが出来た。私の係は優秀な者ばかりだなぁ」
すっかり上機嫌の係長。
お菓子配りで優秀って言うのも何か嫌だな。
「しかし、タカヤのお菓子を配った量はダントツで多かったな」
「ですよね、凄かったです。老若男女問わずタカヤくんにお菓子貰いに行ってて」
「大変そうだったよ…」
本当に大変だった。
あれから定位置に戻って待機してたら、あっという間に周りに人が集まってきて、お菓子を配るのも一苦労。
助けてもらいながらも配り終えることが出来て、まぁ本当によかった。
「あのー、タカヤくん。私気になってる事があるんだけど…」
「何ですか?」
「ハヤトくんと貴方の関係って、何なのかなって」
「へっ!?」
思わず声が裏返ってしまった。
グラスを落としそうになるが慌てて持ち直す。