第17章 カミングアウト
「え?え!?」
中心に向かってドンと押され、バランスを崩すも何とか立て直す。
「た、貴夜!?」
顔を上げると、隼人が驚いた様に俺を見ていた。
「隼人……これは一体…」
「あ、いやぁえっと…」
きょどる隼人。
俺は首をかしげた。
「ハヤトが、お前との関係を言ったんだよ!」
「はっ!?」
外野からそう聞こえ、俺は隼人を睨み上げた。
「いや、正確には言わされたって感じで……ごめん…」
素直に謝ったこいつを責めるのも何か違うよな。
それに俺自身、そこまで怒りはない。
逆に、よかったとさえ感じる。
「…なぁ、隼人」
隼人は覚悟を決めた様な目で俺を見た。
そんなに怖がらなくても…。
俺はフッとくちもとを緩め、手を差し出した。
「俺をここから連れ出すっていうの…悪くない提案だと思わないか?」
一瞬驚いた顔をしたが、隼人はニヤリと笑って、俺の手を掴んで走り出した。
「あ、おい!」
「何処行くのー!」
皆の呼び止める声が聞こえる。
だけど走り続けた。