第16章 ハロウィーンパーティー
声のした方にばっと顔を向けた。
そこにはレオが立っており、俺は緩んだ隼人の腕からすり抜ける。
た、助かった…。
「レオ、どうしてここに?」
「タカヤがここに行くの見えて、どうしたんだろうと思って来た。そしたら…」
レオはちらりと隼人を見て、また俺に視線を戻した。
「2人は付き合ってたんだな」
顔が熱くなる。
それと同時に、何だか気が遠くなるようにも感じた。
「別に付き合ってない…」
「嘘。さっきキスしようとしてた」
「た、たまたま近かっただけで…」
「あんな距離、普通ならない」
悉く反論され、言葉を失う。
レオは俺に近付き、俺が被っていた帽子を取った。
開けた視界の先に、俺より少し身長の高い整ったレオの顔が見える。
思わず、見とれてしまった。
顎に手を当てられ、上向かされる。
そして顔を近付け、唇が触れそうになった時、俺ははっと我に返ってレオを押し返し、自分自身も後ろに下がった。